黒川温泉 観光経営講座
レビュー
内容(「BOOK」データベースより)
「『もてなしの心』と言いますが、旅館はお客さんが来てからもてなすんじゃあないですよ。その前に、全体がもてなしの風景になっとらんといかんわけです。そこにお客さんがやってきて、感動するんですよ。口先ばっかり『もてなしの心』で対応しようとしても、お客さんは喜んでくれません」―いま全国でもっとも注目を集める観光地・黒川温泉の再生ノウハウを、「山の宿新明館」館主・後藤哲也が、「温泉教授」こと松田忠徳に語り尽くす。景観造りや宿造り、風呂造り、そして人づくりを、どういうビジョンに基づき、どういう方法で成し遂げたのか。その秘密に迫る。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
後藤 哲也
1931年熊本県生まれ。黒川温泉「山の宿新明館」の三代目館主。別館「山みず木」も経営。現代人の心を見事につかんだ景観造りや露天風呂造りなどによって、忘れ去られた温泉地であった黒川温泉を日本有数の人気温泉地へと導く。2003年、国土交通省の「観光カリスマ」に選定される
目次
第1章 黒川温泉はスゴかあ!(木を植えて活きいきとした温泉地を造る
黒川を変えた入湯手形 ほか)
第2章 後藤哲也はスゴかあ!(感動を創造した洞窟風呂
従業員に見せる経営者の姿 ほか)
第3章 現代人のための温泉論(日本を支えた温泉力―その不思議なパワー
景色よりも雰囲気―湯に集中できる風呂 ほか)
第4章 公共温泉という矛盾(民間と公共ではサービスのレベルが違う
自治体には造らない勇気が必要 ほか)
第5章 黒川温泉の現在(ブームゆえの危機
泊まるなら奥に行きたいのが人情 ほか)
カスタマーレビュー
レビュアー: だい@
タイトルにある「観光経営」ではなく、
この本で掲げているのは、後藤氏の「観光に対する哲学」である。
経営の視点から読みたい人には、物足りない。
黒川温泉という成功事例を起した人の哲学を学び取りたい方には、
お勧め。
内容が、インタビュー形式になっている点も賛否両論かと。
私は、この形式でなく、後藤氏の記述形式のほうがよりわかりやすいと
思った。
というのも、著者の松田氏の意見は、温泉フリークの意見であり、
経営の視点にたった意見ではなく、本文中にも、後藤氏との意見の相違がでる点もあった。
明確な観光哲学ともった後藤氏と、温泉ウォッチャーの松田氏との対談では、かみ合わない点があって当然。
そのギャップが面白いともいえる。
レビュアー: ハムりんの読書
九州で人気の温泉地、黒川温泉で「山の宿 新明館」館主の後藤哲也さんと、温泉教授の松田さんが黒川温泉を主なテーマにあるべき温泉象を語り合います。松田教授はやはり理想としての温泉のあり方をおっしゃってますが、後藤さんは現実的な温泉経営の話をしているので、意見が食い違うシーンもあったりします。
一方で、求められる温泉像の変化ということで、ホテル型の温泉がダメになってきた、といいます。その例として、熱海などが挙がっていますが・・。
理由として、都心のマンション暮らしでは逆に一軒家に憧れるものだ、という話が印象に残りました。マンションに暮らしている人は、同じようなつくりのホテルに憧れるわけがない。
かつて日本中が一軒家で、マンションなどの高層建築に憧れた時代がホテル型マンションに人気が集まった時代だったということです。マンション暮らしの人が増えたならば、秘湯と呼ばれるような場所が人気になるのは当然です。


